新演出

R・シュトラウス《サロメ》

Salome - R. Strauss

上映期間
2025年627日(金)~73日(木)

※東劇のみ7/10(木)までの2週上映

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囚われの聖者に恋した少女サロメがとった究極の行動とは?世紀末の爛熟を体現した傑作オペラを待望の新演出で!

聖者ヨカナーンに恋してしまった少女サロメの狂おしい官能!禁断の恋が招いた衝撃的な結末で大スキャンダルを巻き起こしたO・ワイルドの戯曲から生まれたR・シュトラウスの傑作オペラが、20年ぶりの新演出!圧巻の高音域E・ヴァン・デン・ヒーヴァー、威厳ある美声P・マッテイの少女×聖者対決は見もの!鬼才C・グートの演出は、時代をヴィクトリア朝時代に置き換えて物語の光と闇をあぶり出す。Y・ネゼ=セガンの切れ味鋭い指揮で、シュトラウスの絢爛たる音楽に酔う歓びを。

指揮:
ヤニック・ネゼ=セガン
演出:
クラウス・グート
出演:
エルザ・ヴァン・デン・ヒーヴァー、ミシェル・デ・ヤング、ゲルハルド・ジーゲル、ピョートル・ブシェフスキ、ペーター・マッテイ
上映時間:
約2時間3分(休憩なし)
MET上演日:
2025/5/17
言語:
ドイツ語
※ スケジュールは余儀なく変更されることがございます。

《サロメ》のあらすじ

紀元36年ごろのシリア(本演出ではヴィクトリア朝時代)。キリストの到来を予言したヨカナーン(新約聖書の「洗礼者ヨハネ」)は、王ヘロデが兄弟の妻ヘロディアスを奪って結婚したことを非難した罪で投獄されている。ヘロディアスの連れ子サロメは、獄中から聞こえるヨカナーンの声に惹かれ、彼を牢から出させて面会し、ヨカナーンの虜になってしまうが、激しく拒まれる。ヨカナーンへの欲望に取りつかれたサロメは、自分に気があるヘロデの求めに応じて踊り、褒美に「ヨカナーンの首」を所望する。ヘロデは震え上がるが、約束を破るわけにはいかない。銀の盆に載せたヨカナーンの首を手に入れたサロメは、その唇に接吻する。恐れをなしたヘロデは…。    

第1幕

ヘロデの宮殿で開かれている宴をながめながら、衛兵隊長ナラボートが王女サロメの美しさを称えている。ヘロデの情欲に満ちた視線に耐えかねたサロメが宴を抜け出して現れる。救世主の到来を告げる声が響き、サロメはそれに興味を示す。声は地下牢にいる預言者ヨカナーンのもの。ヨカナーンは王ヘロデとその妻ヘロディアスを非難して投獄されていた。サロメはナラボートを誘惑してヨカナーンを牢から出させ、彼の虜になる。ナラボートは嫉妬と恐怖から自刃、ヨカナーンはサロメに見向きもせず、自ら牢へ戻っていく。
サロメを探してヘロデとヘロディアスが現れる。ヘロデに舞を求められたサロメは、褒美としてなんでも与えるという言葉を受けて踊りだす。舞い終えたサロメの望みは銀の盆にのせたヨカナーンの首だった。
ヨカナーンの首を手に入れたサロメは恍惚としてそのクビに口づけをする。恐れをなしたヘロデはサロメを殺せと兵に命じる。

作品解説・あらすじ概要執筆:加藤浩子(音楽評論家)

キャスト&スタッフ

  • ヤニック・ネゼ=セガン

    Yannick Nézet-Séguin

    《指揮》

     

    ヤニック・ネゼ=セガン

    Yannick Nézet-Séguin

    《指揮》

    歌手や楽器奏者と堅い信頼関係を築き、音楽の潜在力を引き出してドラマを活き活きと構築する指揮者。1975年生まれのフランス系カナダ人で、指揮、ピアノ、作曲、室内楽を学び、C・M・ジュリーニに師事。フィラデルフィア管音楽監督等を歴任後、2018年9月からMET第3代音楽監督を務めている。24年、METオーケストラを率いて来日し、深い探求心と音楽愛に根差した躍動感あふれる音楽を聴かせた。今季LVは《グラウンデッド》《トスカ》《アイーダ》にも登場する。

  • クラウス・グート

    Claus Guth

    《演出》

     

    クラウス・グート

    Claus Guth

    《演出》

    光と闇を駆使し、人間の嫉妬心や欲望を浮き上がらせるオペラ演出家。1964年に独フランクフルトで生まれる。ミュンヘンのルートヴィヒ・マクシミリアン大学で哲学等を修得後、ミュンヘン音楽大学でオペラと演劇の演出を学ぶ。2003年に《さまよえるオランダ人》でバイロイト音楽祭デビュー。06年のザルツブルク音楽祭《フィガロの結婚》は大きな話題を呼んだ。日本でも東京二期会の《パルシファル》を演出。この《サロメ》がMETデビュー。

  • エルザ・ヴァン・デン・ヒーヴァー

    Elza van den Heever

    《サロメ》

     

    エルザ・ヴァン・デン・ヒーヴァー

    Elza van den Heever

    《サロメ》

    ソプラノ

    豊かな声に深い感情を深く込め、力強い響きを作るソプラノ。1979年、南アフリカのヨハネスブルク生まれ。サンフランシスコ音楽院ではメゾソプラノとして学んだ。サンフランシスコ・オペラのフェローシップに参加してソプラノに移行。《ドン・ジョヴァンニ》ドンナ・アンナ役を皮切りにキャリアを築いた。METデビューはLVにもなった2013年の《マリア・ストゥアルダ》エリザベッタ。LV16-17の《イドメネオ》エレットラや19-20の《ヴォツェック》のマリー役も忘れ難い。

  • ペーター・マッテイ

    Peter Mattei

    《ヨカナーン》

     

    ペーター・マッテイ

    Peter Mattei

    《ヨカナーン》

    バリトン

    艶のあるセクシーな美声でスタイリッシュに歌うバリトン。1965年、スウェーデン生まれ。母国の王立音楽アカデミーを卒業。90年にモーツァルト《偽の女庭師》でオペラデビュー以来、モーツァルト歌手として名を馳せ、世界の主要歌劇場に進出してレパートリーを広げた。193センチという大谷翔平並みの身長で舞台映えもする。METデビューは2002年の《フィガロの結婚》アルマヴィーヴァ伯爵役。22-23《ドン・ジョヴァンニ》題名役などLV出演多数。

  • ゲルハルド・ジーゲル

    Gerhard Siegel

    《ヘロデ王》

     

    ゲルハルド・ジーゲル

    Gerhard Siegel

    《ヘロデ王》

    テノール

    高い音楽性に支えられた性格表現が際立つドイツのテノール。1963年生まれ。器楽奏者、作曲家としてキャリアを始め、アウクスブルク音楽大学で声楽を学んだ。95年、ウィーンのハンス・ガボア・ベルヴェデーレ国際コンクール で優勝後、各地の歌劇場で目覚ましく活躍している。METデビューは2004年の《ラインの黄金》ミーメ役。これは新国立劇場でも歌い、10-11のLVでも披露された。LVは19-20の《ヴォツェック》大尉役の名唱も記憶に新しい。

  • ミシェル・デ・ヤング

    Michelle DeYoung

    《ヘロディアス》

     

    ミシェル・デ・ヤング

    Michelle DeYoung

    《ヘロディアス》

    メゾソプラノ

    力強く豊かな声で役柄の人間性を掘り下げるメゾソプラノ。技巧もたしかだ。1968年、ミシガン州生まれ。牧師の娘として育つ。METリンデマン若手アーティスト養成プログラムで学び、92年、METナショナル・カウンシル・オーディションに優勝した。METデビューは2004年の《ベニスに死す》で、以後はMETの常連。09年にカリフォルニア大学ノースリッジ校で音楽学士号を取得した。3回のグラミー賞受賞を誇る。LVは15-16の《タンホイザー》ヴェーヌス役以来。

  • ピョートル・ブシェフスキ

    Piotr Buszewski

    《ナラボート》

     

    ピョートル・ブシェフスキ

    Piotr Buszewski

    《ナラボート》

    テノール

    澄んだ伸びやかな声を誇るリリック・テノール。1992年、ポーランドのワルシャワ生まれ。ワルシャワのフレデリック・ショパン大学卒業後、NYのジュリアード音楽院やローマのサンタ・チェチーリア国立アカデミー、フィラデルフィア声楽アカデミー等で学ぶ。METナショナル・カウンシル・オーディションのグランドファイナリスト。現在、主要歌劇場へのデビューが続いている。2023年の《カルメル会修道女の対話》がMETデビュー。LVに初登場。

プロフィール執筆:香原斗志(オペラ評論家)

タイムテーブル

 

時刻の目安 項目 時間
  開映前映像 CM&客席映像 約5分
1幕 本編 ◆オープニング・解説(A・アクメトチナ) 約110分
◆インタビュー(指揮 Y・ネゼ=セガン、E・V・D・ヒーヴァー)
第1幕
カーテンコール&クレジット 約8分
 
上映時間: 約2時間3分

 

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