《セミラーミデ》現地評

2018年4月6日 金曜日

 アンジェラ・ミードは、罪の意識に苛まれる古代バビロニア女王のセミラーミデを圧倒的な声量で演じた。エリザベス・ドゥショングは温かみのある豊かな色合いと、磨き抜かれた歌唱技術で、ズボン役のアルサーチェを演じた。イルダール・アブドラザコフの演じるアッスールは強烈な存在感を放っていた。インドの王子イドレーノを演じたハヴィエル・カマレナは高音で観客のハートを射抜いた。 ――Financial Times

 

アンジェラ・ミードの重厚な声量とハチドリのように敏捷な超絶技巧は、連符の嵐のセミラーミデの歌唱には、とても珍しい取り合わせだろう。

どのアリアもどの二重唱も、まるでオリンピックのフィギュアスケート選手が繰り出すジャンプのようだ。ミードは、一晩中歌い続けられるのではないかと思わせるほど、歌の”トリプル・ルッツ”を次から次へと成功させた。――New York Magazine

 

カマレナの歌唱は、とろけさせるようでしかも陰影に富んでいて、超絶技巧の高音は響き渡り、太陽がさんさんと降り注ぐような明るさもあり、熱意に溢れていた。この役を彼より素晴らしく歌い上げられる歌手はいないだろう。

ドゥショングの歌唱は軽やかで、流れるようで、ベルベットのような滑らかさがあった。指揮者のマウリツィオ・ベニーニはシャキシャキと歯切れよく透き通った演奏を引き出した。――New York Times

©Ken Howard / Met Opera

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