歌舞伎・演劇の世界

歌舞伎を世界に

1. 歌舞伎は旅する大使館―海外公演

歌舞伎の海外公演の歴史は、1928(昭和3)年のソ連(現ロシア)公演にさかのぼります。 一般にも成果の程を危ぶまれていたこの公演は、予想を上回る成功を収めます。 以来今日まで、歌舞伎が訪れた国・都市は、36ヶ国110都市を数えるに至ります。(平成29年8月現在)

パリ・オペラ座(ガルニエ宮)
この文章の見出し「歌舞伎は旅する大使館」は1978(昭和53)年オーストラリア公演の際の現地の劇評の一節ですが、海外公演の意義を一言で言い表した言葉としてよく知られています。海外公演は政治経済とは別の、文化という側面を通じた国際交流に大きな役割を果たしています。
最近では、2017(平成29)年、日中国交正常化45周年を記念して、北京で歌舞伎公演が行われています。
また、歌舞伎の培ってきた独特の演技や美意識は驚きと賞賛をもって迎えられ、海外での高い評価は、国内における歌舞伎の再評価のきっかけとなりました。現在の海外公演は、日本の古典芸能歌舞伎の紹介という当初の目的のみならず、「平成中村座」の海外公演やアメリカラスベガスにおける歌舞伎公演など、歌舞伎の今を発信する試みも行われています。
1986(昭和61)年を皮切りにアメリカ・パラマウントシアターでも上演
2015(平成27)年と2016(平成28)年にラスベガスで行われた公演は、歌舞伎を海外で興行する場合の、ローカライズを視野にいれた公演でした。2015(平成27)年にはベラージオの噴水で『鯉つかみ』2016(平成28)年には劇場で『獅子王』と会場に合わせた新作を創作し、最新の映像を活かした演出を試みました。
また、2017(平成29)年には、アメリカポートランドで歌舞伎の衣裳展を行い、公演以外の方法による歌舞伎の普及の試みも模索しています。

2. 歌舞伎の情報の発信

Kabuki Gate
creative direction:Ufo Tanaka
art direction:Nao Karakida
copy:Nadya Kirillova
海外から日本への観光客の誘致への流れの中、日本における歌舞伎の発信も始まっています。松竹では、英語による公式サイト「KABUKI WEB」を運営し、英語での情報発信に努めています。このページからは、チケットWEB松竹の英語サイトにも移動することもでき、海外から気軽に切符が買えるようにシステムを整えています。
また、フェイスブックにおいても、英語版ページ「KABUKI by Shochiku」を作成。親しみやすく気軽に歌舞伎に触れられる情報を発信しています。松竹からの発信のみならず、さまざまな形で歌舞伎の海外発信に協力しています。
NHKワールドで放映中の「KABUKI KOOL」に協力し、歌舞伎の面白さを英語で発信し、成田空港では、出国手続き後のロビーに「Kabuki Gate」という展示と店舗を兼ねたスペースを成田空港と共同して出店しています。さらに文化庁の委嘱により歌舞伎を紹介する映像を制作し、文化庁日本紹介サイトに掲載されました。
フェイスブック
KABUKI By Shochiku
成田空港
展示と店舗を兼ねたKabuki Gate
Photo Copyright:鳥村鋼一
Inter Design:Specialnoumal Inc.

文化庁歌舞伎紹介ビデオ