歌舞伎・演劇の世界

歌舞伎を身近に

1. 「歌舞伎文化」の発信と広がり

江戸時代の歌舞伎は、まさに庶民文化の中心でした。人気者の舞台姿は浮世絵に描かれ、衣裳の模様や帯の結び方、髪形などが流行の発信源ともなりました。 幕末には人気小説の舞台化や、また、小説の挿絵が当時のスターの似顔絵で描かれるなど、現代でいうメディアミックスの走りのようなこともありましたし、役者の紋や模様はこどものおもちゃにいたるまで用いられました。江戸時代の人々は、歌舞伎を、日常ありとあらゆるところで身近に楽しんでいました。 私たちはこれらの、歌舞伎の舞台以外のさまざまな展開を「歌舞伎文化」と名づけ、江戸の人たちが楽しんだ「歌舞伎文化」を現代に展開させたいとさまざまな試みを重ねています。
ジャポニカ学習帳
歌舞伎の登場人物があしらわれたジャポニカ学習帳

2. 「歌舞伎」を現代的センスで

衣料品のユニクロとコラボをした「松竹歌舞伎×ユニクロ」は、歌舞伎の衣裳の柄や文様をT-シャツやトートバッグに用いました。これは世界中で発売され、歌舞伎のユニークなセンスが大好評を博しました。
『ハローキティ』『おそ松さん』『ガチャピン・ムック』といった人気キャラクターとのコラボ商品も、キャラクターを通して歌舞伎に触れていただくきっかけ作りの一環です。また、「かぶきにゃんたろう」というオリジナルキャラクターが松竹の歌舞伎アンバサダーとして活躍しています。
歌舞伎ルーム
KABUKI ROOM
歌舞伎座ビルの5階にある「歌舞伎座ギャラリー」では、歌舞伎の情報を、楽しく発信していますし、歌舞伎座の地下にある木挽町広場では、さまざまな店舗が縁日のような賑わいをつくりだし、歌舞伎に関する商品や「和」に関わる商品が人気です。なかでも、カプセルに入った商品が出てくる「歌舞伎ガシャポン」は多くの方に楽しんでいただいています。
さらには「歌舞伎」の世界観をさまざまに展開する試みも広がっています。京都にはホテルの一室を『京鹿子娘道成寺』『仮名手本忠臣蔵』をモチーフに装飾した「KABUKI ROOM」があり、松竹ではこれらの監修を行っています。
隈取根付
歌舞伎ガシャポン

3. 「歌舞伎文化」の健全な発展のために

歌舞伎を身近に楽しんでいただくことは、もちろん歓迎なのですが、たとえば隈取でも、色や形があり得ない、「歌舞伎モドキ」、とでも言いたくなるような商品があります。 また、写真や映像、登録商標の無断使用など、さまざまな権利の侵害にあたる事例も見受けられます。 弊社では、歌舞伎文化の健全な発展のために尽力してまいります。