真実の愛情を求めて・何処へ

公開日：1954年11月3日（水）

作品情報

INTRODUCTION
上映時間・123分　大船作品
コピーは「酒と女と慾のうづまく田舎町に悩み多き日々を送る高校教師の青春のさすらい」。石坂洋次郎の同名の小説を柳井隆雄が脚色し、大庭秀雄が監督に当たり、斎藤毅が撮影。主な出演者は、佐田啓二をはじめ、岸惠子、月丘夢路、伊藤雄之助など。

STORY
大学を出た伊能琢磨（佐田啓二）は地方の高等学校に英語教師として赴任した。粗野で低俗な生徒たちや、職員室の空気は、たちまち彼の夢を破った。石黒書記（多々良純）の紹介で知った芸者才太郎（月丘夢路）に何か心をひかれたが、清水校長（日守新一）も県会議員の花山（柳永二郎）も彼女に深い好意を持っているらしかった。生徒たちが林檎畑を荒らして困ると地主等が学校へ苦情を持ちこんで来だが、この事件で伊能は玉田金助（中村正純）という生徒に関心を持った。この取調べで伊能は野口先生（伊藤雄之助）と意見の対立を見たが、しかし野口の教育法には一種の魅力を覚えた。金助の家庭を訪れた伊能は、姉の艶子（岸惠子）に強い愛情を感じた。木山医師（坂本武）には器量がよくないので縁遠い娘安子（中北千枝子）がいた。伊能は半ば強制的に木山夫婦から見合いをさせられた。ところが安子は意外にも明るい健康な女性で、伊能も心の和らぐのを覚えた。その直後、伊能を訪ねた艶子は、近く結婚するので金助の将来を頼んで別れを告げた。そのころ木山医師は才太郎が落とした校長からの恋文を学校で公開して問題となったが、花山がそれはデマだと打ち消した。彼女は花山との仲を清算して故郷の北海道に帰ることになったのだ。