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【作品データベース】からたち日記からたちにっき

作品情報

INTRODUCTION
上映時間・119分 歌舞伎座作品
信州の貧農の家に生まれた一人の女性の一生を描いたもの。増田小夜の原作を新藤兼人が脚色、五所平之助が監督した。撮影は宮島義勇が担当。

STORY
つる(高千穂ひづる)はものごころついたとき、長野県塩尻に近い村の地主の家で子守をしていた。彼女が知ったのは、ひもじいは辛いもの、人間とは恐ろしいもの、ただそれだけだった。ある日、叔父の勘太(織田政雄)につれられ、諏訪の芸者屋に売られていった。途中、母という人に会わせてくれた。母はつるを生んだのち山間の貧農へ嫁したのだ。芸者屋・竹の家で因業な主人せつ(村田知英子)や先輩芸者たちにこきつかわれた。竹実姐さん(紫千代)が無理なお座敷づとめで腹膜をこじらせて死んだとき、かるた姐さん(水原真知子)はせつの仕打ちをののしり、店をやめた。やがてつるは半玉になった。せつが彼女を呼んでいった。今夜、一人前になるんだよ。相手は土地の興行師ロンパリ(東野英治郎)である。つるは驚かなかった。運命に捨身で従おうと思った。翌日、つるはみじめだった。いつか半玉の天満里(田代百合子)と一緒に登った城趾の大木にしがみつき、大声をあげて泣いた。ロンパリが彼女を身うけし、三号にした。毎日、ぼんやり暮した。戦争が激しくなり、つるは軍需工場につとめた。女工たちは彼女に冷たかった。その鼻をあかそうと、人気のある青年将校本山(田村高廣)に近づいた。それが、いつか恋していた。生れて初めての恋。だが、本山は戦地に発った。つるはさえぎるロンパリをふりきり、駅へ走ったが、遅かった。ロンパリをしくじってはこの土地にいられない。つるは弟の忠夫(柴田昭雄)をつれ、千葉のかるた姐さんをたずねた。

キャスト・スタッフ

- キャスト -
高千穂ひづる
島倉千代子
田村高廣
伊藤雄之助
- スタッフ -
原作:増田小夜
監督:五所平之助
脚色:新藤兼人
撮影:宮島義勇
音楽:芥川也寸志

配給:松竹
Ⓒ1959松竹株式会社

ジャンル:現代劇