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【作品データベース】霧子の運命きりこのうんめい

作品情報

INTRODUCTION
上映時間・83分
井上靖原作「春の雑木林」から、木下恵介が脚色の川頭義郎が監督した異色ドラマ。撮影は荒野諒一が担当している。伊豆の天城山麓や、伊東、熱海等のロケーションを取入れて、孤児の岡田茉莉子が流転の人生を繰り広げる哀切な物語。

STORY
松本霧子(岡田茉莉子)は今年27歳、伊豆山麓の田舎に生れたが、その少女時代はちょうど戦争中で、父の善作(野々村潔)は出征軍人だった。留守宅には、何時もガミガミとうるさい継母(佐々木すみ江)と病気がちの祖父(加藤嘉)、それにまだ幼い三人の義妹が同居していてそんな複雑な家庭の空気が、彼女の性格をひねくれたものにしていた。小学校でも、担任の先生や級友たちが何か事ある毎に彼女を白眼視して、霧子は一層依怙地に振舞う少女になっていた。終戦になり父は復員して来たが、下田へ大工仕事で出かけたきり。霧子は中学を卒業すると、伊東、熱海など温泉旅館を女中として転々と働き歩いた。伊東で働いている時、彼女の器量を見こんだ年増芸者のお花(清川玉枝)から、芸者になることを進められたりしたが、常客の影山幸二郎(穂積隆信)を頼って東京のバーへ出て働くことになった。霧子は一年程前から、店に通ってくる宇佐見(吉田輝雄)という年下の男に心を惹かれていた。その宇佐見が金欲しさのために、殺人を犯し霧子のアパートに逃げて来た。霧子は自分を頼る宇佐見をみて、一緒に死んでやることにした。霧子はどうせ心中するなら生れ故郷の伊豆--下田の先の石廊崎で死にたいと思った。霧子は金を都合する関係上、宇佐見を先に下田へやり、霧子は故郷へ向った。しかし、村では霧子が殺人犯の情婦として、噂されていた。

キャスト・スタッフ

- キャスト -
岡田茉莉子
吉田輝雄
田村高廣
- スタッフ -
原作:井上靖
監督:川頭義郎
脚色:木下惠介
撮影:荒野諒一
音楽:木下忠司

配給:松竹
Ⓒ1962松竹株式会社

ジャンル:現代劇