映画・アニメの世界

【作品データベース】背くらべせいくらべ

作品情報

INTRODUCTION
上映時間・66分
師匠の木下惠介監督が愛弟子のために自ら企画し、同門の山田太一助監督が脚本を執筆、大槻義一が監督した純愛メロドラマ。撮影は小原治夫が担当している。至純な兄弟とその母がうたう愛の抒情詩。

STORY
富士山が望まれる富士吉田市。この町の一隅に勝田操(乙羽信子)の一家があった。長男の貞夫(川津祐介)には村上という織物工場の一人娘愛子(島かおり)という恋人があり、母の操、弟の勉(石川竜二)はそこで働いていた。貞夫は弟の勉だけは大学にやりたいと、母の操と相談していた。ある日、貞夫の工場で当然先輩の向井(末永功)がなると思われていた係長の椅子に、東京から別の人間が迎えられた。このことは貞夫にとってショックだった。この工場にいてはいつまでもうだつが上らないという焦燥の念がおきたのだ。だが、愛子の両親は貞夫を婿養子として、織物工場の後継ぎにしようと思っていた。こんな状況の貞夫に、東京の南千住で町工場を経営している叔父(土紀洋児)から、重要な地位をまかせるから上京せよという手紙が届いた。「甲州べえになってここで埋れないでおくれ」という母の気持もあって、貞夫はこの手紙に応ずる決意をした。上京の前夜、親子三人は柱の前で記念の背くらべをするのだった。貞夫が上京してみると叔父の工場はストライキの最中だった。重要な地位とは叔父の味方になってストライキを中止させることだった。貞夫は叔父と労働者の間に入って苦しんだ。そんな彼に、職工の北見(田中晋二)たちが同情してくれたが、貞夫は耐えきれなくなって、吉田市へひきあげてしまった。母や弟は理由を何も聞かず暖かく迎えてくれた。貞夫は母と一緒に愛子の工場で働くことにした。彼は愛子と二人で甲州べえになろうと決意したのである。そこへ北見が訪ねて来た。

キャスト・スタッフ

- キャスト -
川津祐介
島かおり
乙羽信子
- スタッフ -
監督:大槻義一
脚本:山田太一
撮影:小原治夫
音楽:木下忠司

配給:松竹
Ⓒ1962松竹株式会社

ジャンル:現代劇