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【作品データベース】月夜の渡り鳥つきよのわたりどり

作品情報

INTRODUCTION
上映時間・89分
長谷川伸原作「瞼の母(1962)」より、鈴木兵吾、元持栄美、桜井義久が共同で脚色、市村泰一が監督した時代劇。撮影は倉持友一が担当している。橋幸夫と倍賞千恵子コンビによる“瞼の母”。

STORY
五つの時に別れた母を求めて、流れ流れて浅草にやって来た番場の忠太郎(橋幸夫)は、腕と気風のよい若者だった。浅草には、露店商人をいじめる松五郎一家がはびこっていたが、忠太郎はいつも松五郎一家に楯ついては、恋人の志乃(倍賞千恵子)の心配の種となっていた。時も時、浅草寺境内に芝居小屋をはっていたすみれ一座の座長が、何者かに殺された。生前松五郎(名和宏)に憎まれていたすみれを知る者は、松五郎の仕業とみたが、確証がなかった。忠太郎と志乃は早速、事件の追求に急ぎ、夜鷹のおたみ(高山裕子)から松五郎一家の仕業だと聞かされた。忠太郎が密かに追求しているのを恐れた松五郎は、すみれ殺しから手を引くことを条件に、忠太郎の母の居所を教えた。勿論、出たらめだ。しかし、十五年らい母を探す忠太郎は、松五郎の奸智に陥った。一方志乃はお鷹より、茶屋水熊の女将おはま(高峰三枝子)が、十五年前貧困から子供を捨てたことを知らされ忠太郎の後を追った。今はもう、瞼の母に会うことのみを頭に描く忠太郎は、水熊に行き、女将おはまに会いたいと言った。おはまは、娘登世(香山美子)と何不自由ない暮しをしていたが、忠太郎の強要を、財産めあてのものと思って、すげなく追い帰した。今は母の姿に失望した忠太郎は、反抗心のとりことなって、再会に失望しながら帰途についた。が、おはまと忠太郎の激しい言い争いに気をきかせた茶屋の板前の知らせで、松五郎の待ちぶせに会った忠太郎は、怒りをぶちまけるように剣を抜いていた。兄忠太郎を追う登世の声も、今は、愛情にかられて後を追う母の声もなく、忠太郎は、志乃と旅立った。瞼の母が忠太郎をいつまでも励ますのだった。

キャスト・スタッフ

- キャスト -
橋幸夫
倍賞千恵子
高峰三枝子
香山美子
志村喬
名和宏
榎本美佐江
- スタッフ -
原作:長谷川伸
監督:市村泰一
脚本:鈴木兵吾
脚本:元持栄美
脚本:桜井義久
撮影:倉持友一
音楽:小川寛興

配給:松竹
Ⓒ1963松竹株式会社

ジャンル:時代劇