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【作品データベース】食卓のない家 しょくたくのないいえ

作品情報

INTRODUCTION
上映時間・145分
原作は1972年に起きた連合赤軍浅間山荘事件を題材とした円地文子の同名小説。小林正樹が脚本と監督を務め、岡崎宏三が撮影を担当した。息子の犯罪が家族に与えた果てしない苦悩を描く。鬼童子家の長男・乙彦ら過激派グループが起こした八ケ岳山荘事件から一年。事件直後から、電機メーカーに勤める父の信之は「成人した息子の犯罪は家族とは無関係である」という態度を取り続けた。家族は投書や中傷などの嫌がらせを受け続け、母親の由美子は精神を病み、長女の珠江は婚約解消という憂き目に遭う。そんな家族を心配する由美子の姉で厚生省キャリアの喜和、信之に密かな恋心を抱く香苗の存在…。乙彦の事件を発端とした家族崩壊に始まる、それぞれの揺れ動く心を映し出す社会派ドラマ。

STORY
鬼童子信之(仲代達矢)・由美子(小川真由美)の長男・乙彦(中井貴一)が過激派の連合共赤軍による八ケ岳山荘事件に連座してから一年が経過しようとしていた。事件直後、鬼童子家には様々な投書や中傷、投石などの嫌がらせが続き、由美子は次第に精神が病んでいった。長女・珠江(中井貴恵)はフィアンセの親から婚約解消を言い渡され、次男の修(竹本孝之)は白け切っている。そんな中で信之だけは、成人に達した乙彦の犯罪は彼個人の問題で家族は一切関係ないという態度を崩さず、他の犯人の親とは違い、謝罪らしい言葉は洩らさなかった。子供たちの信之への反発、由美子の入院で崩壊寸前の鬼童子家を支えていたのは由美子の姉・喜和(岩下志麻)だった。喜和は厚生省の課長という独身の超キャリア・ウーマンである。又、頑なな愛憎を抱き合う信之と乙彦のパイプ役になったのは、信之の大学の先輩・川辺弁護士(平幹二郎)だった。ある日、信之は川辺から乙彦には朝野みよ子(大竹しのぶ)という恋人がいて、彼女は乙彦の子を身ごもっていると聞かされる。一方、珠江は婚約解消されたフィアンセと密かに逢瀬を続け、喜和の手助けで信之には内緒で結婚、アメリカに渡ることを決意する。信之は喜和の配慮に頭を下げ、事件後の自分にとって喜和は唯一の心の安らぎであることを痛感する。そんなとき、由美子が喜和のマンションから飛び降り自殺をはかった。

キャスト・スタッフ

- キャスト -
仲代達矢
小川真由美
岩下志麻
中井貴一
- スタッフ -
原作:円地文子
監督:小林正樹
脚本:小林正樹
撮影:岡崎宏三
音楽:武満徹

配給:松竹富士

ジャンル:現代劇