映画・アニメの世界

【作品データベース】上方苦界草紙 かみがたくがいぞうし

作品情報

INTRODUCTION
上映時間・100分 
芸に対する凄じい執念をもつ旅芸人姉妹の生き様を描く。藤本義一原作の同名小説の映画化で、脚本は『徳川の女帝 大奥』の高山由紀子が執筆。監督は『トリナクリア PORSCHE 959』の村野鐵太郎。撮影は吉岡康弘と馬場順一が共同でそれぞれ担当。

STORY
明治21年、当時伊勢参宮でにぎわう街道では、お杉(葉山レイコ)、お玉(寄田由加)という女二人組の旅芸人が少なくとも五組はいて人気があった。5年前、河内の家にやってきた門付芸人お満(小川真由美)によって、お杉、お玉、お文(原田和代)の幼い三姉妹は三味線の芸を仕込まれるが、その間に義父の源(井川比佐志)と娘たちを奪われた母ます江(片桐夕子)は姿を消してしまう。ある日、お文は突然やって来た源にお玉の代役として伊勢に連れて行かれる。お玉が男と逃げたのだった。そして初めてお杉、お玉として三味線を弾いたお文は、曲の半ばでお杉が白目をむき、身体をのけぞらしてひざを開くのに驚く。これもお杉の芸だったのだ。春が巡り、再び旅路についたその途中で源は芸を磨くため女になれとお杉を抱く。ところがそれを知ったお満は逆上し、源に殴りかかるが、反対にたたきのめされ、翌朝、源は意識のないお満を見捨て、二人を追い立てるように旅立つ。明治25年、二人の芸もいよいよ色めき、評判も高まって来たころ、本家間ノ山のお杉、お玉がその権利を売るといううわさがたった。同じころ、芝居小屋に出ていた鏡味仙太郎(峰岸徹)の三味線を聞いて心を奪われたお文は、彼に三味線の指導をしてもらう。明治27年、源はついに本家間ノ山の権利を買い取るが、突然警察の取締が厳しくなり、伊勢での大道芸が禁止される。数日後、お文は源とお杉を残して門付の旅に出た。自らの音にこだわり、旅を続けるお文は、川で死んでいたお満の姿を見る。そしてその手には三味線が固く握られていたのだった。

キャスト・スタッフ

- キャスト -
原田和代
葉山レイコ
小川真由美
井川比佐志
- スタッフ -
原作:藤本義一
監督:村野鐵太郎
脚本:高山由紀子
撮影:吉岡康弘
音楽:本條秀太郎

配給:松竹
©村野鐵太郎

ジャンル:現代劇